間違い電話の恐怖。

今日、知らない番号から着信が来た。
「えっモデル事務所のスカウトかな!?」とか思ったけど、全然心当たりがないので放置していると、留守番電話にメッセージが残った。聴いてみる。

「・・・・・・アッッ!中村さん、あたし、お歳暮! お歳暮もらったお返事してなかったなぁと思って! ギャハハハハ!」ガチャリ

なに笑ってるんだよ。届いてねーぞ。あんたのメッセージ届いてねーぞ。
かけ直して教えてあげるのが本当の優しい人なのだろうけど、
「私は中村じゃありません」
と言って
「じゃああんたはなんなのよ!」
とか言われたら、「あれっ自分ってなんだっけ・・・・・・?」と、自我の境界をさまよう可能性を否定できない。よって、それは無理だ。
今すべき事は、「俺は、中村じゃあない」という強い自意識を保つ事なのだ。

今回は、これでやんだ。多分、中村の番号が分かったのだろう。もしくは、メッセージが届いたと錯覚しているか。おばばよ、すまぬ。
さて、「今回は」と書いたのは、そう、やまなかった時があるからである。

中学2年生くらいの頃、友達二人と伊豆に2泊3日で旅行に行った。
交通の手配などを自分らでやって行ったので、当時の我々はそれなりに盛り上がった記憶がある。まぁ、親の補助を多分に受けていたような気がするけど。
さて、伊豆についてからだが、ずっと、雨だった。それも台風だった。よって、我々はずっと民宿の2階で高校野球を観ていた。そんな旅行だった。

そんな中、あったのである、見知らぬ番号から着信が。
「あっどうも何々コーポレーションの間違のぼるですー。また、お電話します」
私は、怖かった。友人二人は昼寝をしている。ほとんど煎餅布団になった布団で寝ている。
誰なのだ、この、のぼるという人物は。
30分後。
「あっ、間違のぼるです。また、お電話します」
しなくていい。してこないで欲しい。まだ社会経験が希薄な私に、ビジネスマンからのTELは怖いのだ。今ならば
「あ、のぼる? 俺、FOXっちゅーもんだから。違うから」
と一蹴できるのだが、当時の私ではのぼるには勝てない。敗戦が決まっていたのだ。
30分後。
「のぼるです。いま、急いでますので!」
やめろ。急がなくていい。おまえの相手は、伊豆の民宿でごろ寝してる中坊なのだ。これ以上、バイブレーションで私を怖がらせないでくれ。もう、野球の試合内容も頭に入ってこない。のぼるでいっぱいだよ、私の中。
「のぼるです。着きました。また、電話します」
着いたか・・・・・・。約束の地へ着いたのぼるは、相手を見失っているらしい。てつや(仮名)よ、はやくのぼるを迎えに行って欲しい。このままでは私の心臓は持たぬ。言いしれぬ罪悪感でいっぱいだ。

かくして、のぼるからの着信はなくなり、どうやらのぼるとてつやは出会ったらしかった。
「何回も電話したのにぃてつやさぁん」
「あ? さえずるな」
とか、そういう会話の後、電話番号の間違いに気づいたであろう。

「間違った記念」とかいって私の番号がのぼるの携帯に登録されていない事を願う。今でも番号は変わっていないのだ。

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