世界にちょっと近づく時。

怖がっていた世界が、急に近寄ってくる事がある。

先日、ある書店で小説家の方にお会いし、実際に話をする機会に恵まれた。
それまで、「著者近影」等で顔を見たことはあったが、実際には会ったことがなく、そもそも「小説家に会う」という事が初めてだった。

私にとって「小説家」と呼ばれる人はとても憧れだけど、とてもよく分からない存在で、「どんな人なんやろ? きっとおかしな人たちやね」と思っていた。

しかし、実際お話しをしてみると、割と普通で、自分と同じような事を考えている。
自分と同じように頭をポリポリと掻いたり鼻をビーーーっ!とやったりしている。そこに、「生きている小説家」がいた。
あと、普通に話も通じるし、にこやかに笑ってくれる。

そうした会話をしながら、「あぁーなんかこれって、なにかであったぞ。前にも」と思っていた。

そして思い出したのが、「社会人として仕事をし始めた」時の事だ。

社会人になる前、私は社会に出る事に怯えきっていた。
アルバイトの時は「なにかあっても社員の人に相談すればいっか」とか思っていたし、「毎日満員電車に乗って死にそうになっているおじさん」とかをテレビや漫画で見ていた。
会社説明会で社会人と学生の違いは?という問いに「責任」とか答えられて、すっかり怯えきっていた。

社会人の人って、一体どんな険しく、難しい仕事をしているんだ? ともう本当に、怖くて怖くて、4月1日が来るのが死ぬほど怖かった思い出がある。

しかし、実際に働いてみると、別にアルバイトと変わらない仕事というのが多数存在し、私は安心した。
そして、「アルバイトには任せられない仕事」というのも確かに存在し、そこに「責任」が生まれるのだけれど、それは怖がるものではなく「誇りになる」部分や「そういうのがむしろ楽しい」という側面がある事も分かった。

社会人になると、毎日仕事をする事が普通になって、それはやっぱり辛い事も多いけれど、でも、やってやれない事はないし、楽しい事だってたくさんある。

「小説家」にしても「社会」にしても、怖がって遠くから眺めていると、怖い。でも、一歩踏み出して自分から近づいてみると、意外と怖くない。そんな事が多い。

今、自分が「怖くてできない事」はなんだろうか。それは、近づいたら案外、楽しくて面白いものなのかもしれない。

そんな事を、最近考えております。

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