ショートショート作品

ドクロソナー

 ある外国の国に古くから伝わるドクロがある。  そのドクロは、近くに死体があるとカタカタと笑うそうだ。  当局の警察はそのドクロを使ってある殺人事件の容疑者を捕まえたらしい。  容疑者の部屋に入ってみると、ドクロが...
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幸福の足音

 昔から、私にはいつも聞こえる足音があった。  その足音が聞こえると、いつもちょっといいことがあるのだ。  だから基本的にはいい足音のはずなのだけれど、正直に言えば、ちょっと怖かった。  もしかしたら幽霊の足音なの...
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宙を舞う紅

 今年は夫の実家で年越しをする。  初めてなので少し緊張する。  と、夫がおかしなことを言った。 「あの、なんか変なことが起こるかもしれない」 「え? 変なことって?」 「う〜ん、俺は見たことないん...
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花瓶の出会い

 私は男性との出会いを求めてこのイベントにやってきた。  女性同士や男性同士の出会いの場としても活躍しているらしいこのイベントは、ある特殊な方法で相手との相性を測ることができる。 「花束を持ってください」  係の方...
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美沙子さんのピアノ

 村に住む美沙子さんはいつも超然としたような人だった。  私は密かに美沙子さんに憧れていた。  美沙子さんは、村で葬儀があるとピアノを弾く。  村の風習で、ピアノの音を聴くと霊がよりつかないとされているためだ。 ...
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液化地下鉄

 地下鉄の輪をくぐると、次の瞬間には目的の駅についていた。  今ではすっかりなれた。  私が今利用したのは「液化地下鉄」である。  液化地下鉄の駅に入ると、一度体が液化される。  そして液体のまま高速でパイ...
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レコメンドフェンス

 スーパーに入る時に、柵を通る。  この「レコメンドフェンス」をはじめに発明したのは本屋らしい。  この柵を通ると客が欲しいものを的確におすすめしてくれる。  客の足が自然と求めているものに向かうのだ。  ...
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あの日見たバラ園

 仕事で疲れてふらふらと歩いていると、いつのまにかあたり一面バラ園になっていた。  あぁ、とうとう死んだのかな……。  しゃがみ込んでバラを触ろうとするけれど、触れない。  どうやらここに咲いているのは、バラの霊ら...
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終電逃しそば

 仕事で遅くなって、終電を逃してしまった。  あぁ、どうしよう。  今月キツいからホテルに泊まるのはなぁ……。  駅から出てくると、線路沿いの道に屋台が出ていた。  あ、あれは……。  噂に聞いたこ...
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旅行堂での体験

 ふらりと出かけた散歩の途中、ある古本屋を見つけた。  その古本屋は「旅行堂」という名前だった。  入ってみると、奥から店主らしき男性が出てきて、言った。 「ここの本は、読むと旅行に行けるんですよ。1000円で読み...
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