ショートショート作品

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宇宙人のハンカチ

 公園でうたた寝をしてしまい、はっと目を覚ますと目の前に宇宙人がいた。  タコのようなクラシカルな宇宙人である。  宇宙人は私に見つかって慌てたようで、バタバタとUFOに乗って去っていった。  と、宇宙人が立ってい...
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宇宙旅行ソファ

 おかしなソファを買った。  なんでも、このソファで昼寝をすると旅行ができるらしい。  どうせジョークか何かだろうと思いながら昼寝をしてみると、なんと本当に旅行に行くことができた。  もちろん夢の中で、という意味だ...
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田んぼの幻

 幼い頃、一人でボール遊びをしていた時、ボールが「立入禁止」と書かれている場所に入り込んでしまった。  そこは工事現場のようで、僕は立入禁止の看板をくぐって中に入った。  すると中に入った瞬間、僕の足元で、ぼちゃん、と音が...
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冷蔵庫のパトランプ

 コヤギ博士に呼ばれて、私は丘の上の研究所にやってきた。 「面白いものができたよ。冷蔵庫の警察だ」  そう言ってコヤギ博士が取り出したのは、パトカーなどについているパトランプだった。 「これを冷蔵庫に取り付けるのだ...
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スーパーボールのある居酒屋

 僕は出張先の土地でため息をついた。  今日はかなり大変だった。こんな日は地元の酒なんかをじっくり呑んで憂さを晴らしたい。  でも、こんな辺鄙な所に飲み屋なんかないよな。  そんな風に思いながら歩いていると、一軒の...
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消費期限のある本

 インタビュアーが書店の店頭でマイクに向かって言った。 「こちらの書店では"消える本"を売っています。その本は、購入後、期限以内に読まないと消えてしまうというのです。いわゆる"積ん読"を解消するためのサービスで、なんとこれが大人気...
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雨漏り男

 大学の友だちが僕のアパートにやってきた。  彼は話がうまく、一緒にいると楽しい数少ない友人である。  彼が色々食べ物を買ってきてくれたので、さっそくそれを食べようということになったのだが、その時僕はとんでもないことに気が...
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黒板荒らしの正体

 中学三年生になって、新しいクラスになった。  私は一年生の頃からいつも誰よりも早く登校していた。朝の誰もいない教室で本を読むのが好きだったのだ。  三年生になって初めての登校日、その日も私は一番早く教室に向かった。 ...
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全自動洗濯物

 全自動洗濯物というものを導入した。  夫が着ていた服を脱いでそのまま放っておくことが多いから仕方なくである。  家事は分担してやるし基本的にいい夫なのだが、これだけが何度注意してもやめられないらしい。昔からの癖なのだろう...
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図書館ダウジング

 私が働いている図書館に子どもたちがやってきた。  あの子たちは近所の学校に通う小学生たちだ。  子どもたち一人ひとりにL字型の棒を二本手渡す。  それを平行に持ったまま図書館の中を歩いてもらう。  すると...
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