小狐裕介の毎日SS

リアル心理学イベント

 私は今、見知らぬ部屋の前に立っている。

 ドアを開ける。

 普通のリビングがある。

 と、頭上のスピーカーから声が聞こえた。

「あなたは今、仕事帰りです。まず何をしますか?」

 そうだなぁと考え、まず洗面所に戻って手を洗ってから、ソファに座った。

 再びアナウンス。

「それでは次の部屋に行ってください」

 私は次々に部屋を周り、そこでアナウンスの指示に従った。

「お疲れ様でした。テストは以上です」

 アナウンスの声がそう告げたので、部屋で待つ。

 やがて部屋に一人の女性がやってきて、一枚の紙を私に手渡した。

 そこには、驚くほど正確に私の心理状態について記されていた。

 そうだ。私は今、自分の心理を知るためのリアル心理学イベントに参加していたのだ。

 私は女性に「ありがとうございました」とお礼を言った。

 すると女性はにこりと笑いながら言った。

「料金は100万円になります」

「え?」

 そんなに払えるわけない。

 私は逃げ出した。

 後ろを黒服の男たちが追ってくる。

 追いつかれそうになって……。

 目が覚めると、ベッドの上だった。

 あぁ、そうだ。

 夢占いをしていたんだった。

 どんな結果になるだろうか……。