ショートショート作品

逃した鳥

 ある町で、漁師が海底に沈んでいた鳥かごを見つけた。  鳥かごの中にはまだ生きている鳥がいて、船は大騒ぎになった。  漁師が鳥かごを持ち帰る途中で、鳥は鳥かごから抜けて逃げてしまった。  漁師の話を聞いて、村の人々...
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これダメオウム

 我が家は小さな商店を営んでいる。  商店の店先でオウムのムーちゃんを飼っているのだが、ある日、カゴから飛び出したムーちゃんが売り物の缶詰の上にとまって「ダメーダメー! これもうダメ―!」と鳴いた。  見てみると、古い缶詰...
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エゴバッグ実験について

 これは知られざる社会実験の記録である。  その実験とは「エゴバック」にまつわる実験であった。  任意の対象者向けに、"エゴバック"というものを配布した。  そのバッグは常に対象者を観察し、対象者がエゴに基づく行為...
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日当たり弁当

 コヤギ博士に呼ばれて、私は研究所にやってきた。 「これを見てくれ」  コヤギ博士が取り出したのは、一つの弁当箱だった。 「育ち盛りの子がな、いつも早弁をしてしまって困るという悩みを解決するために発明したんだよ」 ...
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税花

 ある国で、ある花を育てることが爆発的に流行った。  それだけなら微笑ましいものであるが、その熱狂ぶりは凄まじく、次第に仕事に身が入らなくなる国民も現れた。  その花を育てることは、ある種の麻薬のような依存性を持っていた。...
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フィギュア温泉

 フィギュア温泉というものがあるらしい。  それは、読んで字の如く、フィギュア専門の温泉らしいのだ。  効能も面白く、フィギュアの関節にいい、なんて効能があるらしい。  僕は、お気に入りのモユたんを連れてフィギュア...
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ツボ治験

 僕はお笑い芸人をやっている。  しかし芸人だけでは食えないので、治験のアルバイトをしている。  治験といっても、薬の治験ではない。 "ツボ治験"というものだ。  ツボを押すことで、どう健康になるかを調べる...
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途中絵本

 幼い頃読んでいた絵本はおかしかった。  最後まで読んでも、結末のページがないのである。  両親に最後はどうなったのかと聞くと、自分で考えてごらんと言われた。  我が家の絵本は全部そうなっていたので、それが普通だと...
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旋回マント

 僕の町には「旋回マント」がいた。  町の上をぐるぐるとマントが飛んでいたのである。  何のマントなのかは分からない。  日夜、マントはぐるぐると町を旋回し、人助けをしていた。  荷物が重くて困っている人が...
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免許制のお話

 人に物語を語る時に免許がいるようになったのはいつ頃からなのだろう。  昔は自分で作った話でも、自由に話して聞かせてよかったらしい。  しかし現代においては、人にお話を話して聞かせる場合、免許がいる。  それが例え...
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