ショートショート作品

鈴の音の回想

 思い出の瞬間を封じ込めておける鈴があると聞いた。  その鈴は、封じ込めておきたい思い出に出会うまで鳴らしてはならない。  何か心に留めておきたいことが会った時、初めて鈴の音を鳴らすのだ。  すると、その鈴の音を聞...
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海スプリンクラー

 私は丘の上にあるコヤギ博士の研究所へやってきた。  コヤギ博士は研究所の前で私を待ち構えていた。 「これを見たまえ!」  博士の指差す先には、スプリンクラーのようなものがあった。  コヤギ博士が何やらスイ...
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風化のバラ園

 私はいつの間にかバラが咲き誇る丘にいた。 「こんにちは」  作業着姿の男の人が話しかけてくる。 「あのぉ、ここは……?」 「バラ園です。ただし、ここに咲いているバラは特殊な品種でして、風化した思いや物など...
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四季模型

「わ、これすごいね〜」  亜希は隆太の家で歓声をあげた。  隆太の家には、日本の形をした模型が4つあった。  そのうちひとつには桜があしらわれていて、もう一つには雪の結晶が、とそれらは一つ一つ四季を表しているのだっ...
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天秤Tシャツ

 古道具屋の店長をしている私は、その日も店番をしていた。  するとそこに、私のお店には珍しい若い男性のお客さんがやってきた。  何かを求めてこの店に来たわけではなく、なんとなくふらりと寄ってみた、という感じである。 ...
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濃い霧効果体験ツアー

 サークルの仲間四人で、山に登ることになった。  僕と菜々ちゃん、それから涼太と百花ちゃんで山に向かう。  僕は今回の登山に先駆けて「濃い霧効果体験ツアー」というものをお願いしておいた。  人間には「吊橋効果」とい...
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恐怖軟骨

 私は椅子に座りながら患者に説明した。 「最近になって"恐怖軟骨"というものが発見されたんです。場所は首筋。怖いことがあると、首がゾクリとするでしょう。そうすると、恐怖軟骨が削れるんです。恐怖心が弱い人は軟骨が大きいんです。逆に恐...
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樹木ロケットの発見

 散歩に出かけると、森に迷い込んでしまった。  無理もない、このあたりは土地勘がないからなぁ。  それにしても、同じような木ばかりで方向感覚が掴めない。  GPSを使うしかないか。  そんな風に思っていた時...
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世迷い村

 私は昔のことを思い出した。  あれは本当に不思議な体験だった。  その頃、営業マンをしていた私は地方の営業先を回った帰りだった。  へとへとになり、本当にこんな仕事を続けていていいのかなぁと悩んでいた。 ...
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目隠し横丁

 私は美鈴(みすず)と一緒に「目隠し横丁」にやってきた。  ここは、一見何の変哲もない路地である。  しかしここに入る時に目隠しをして入ると、目隠し横丁に行けるのだ。  以前、目隠し横丁の噂を聞いた私は美鈴とここに...
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