ショートショート作品

毎年パジャマ

 年末年始の休みで実家に帰ってきた私は「最近なんだかうまく行ってないなぁ」とかなんとか思いながら居間でゴロゴロしていた。  大人だから悩みがあって当然かぁなんて、幼いまっさらな頃の記憶が染み付いた実家で思う。  と、その時...
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山車会社

 私が新入社員として入社した会社は、すごく良い会社だった。  先輩社員や管理職クラスの人もいい人ばかりだし、就業規則などもきちんと守られている。  良い会社に入社したなぁと思っていたある日のこと。  昼休みが終わり...
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洗脳サーキュレーター

 あるところに天才的な頭脳を持った博士がいた。  その博士の元を、ある資産家が訪ねてきた。  資産家は博士に己の野望を語った。 「人間の考えを支配したいのだ」  それを聞いた博士はこう答えた。 「で...
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垂れ幕献立

 僕は引っ越したマンションである噂を聞いた。  それは「横断幕」に関する噂だった。  毎日、夕方四時くらいになると、ある部屋のベランダで横断幕が広げられるそうだ。  そこに書いてあるのは、なんと夕食の献立らしい。 ...
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エレベーターで会うあいつ

 私は一人、引っ越したばかりのマンションの部屋を出た。  会社まではそう遠くないが、いつも早めに部屋を出ることにしている。  部屋を出て廊下を進み、エレベーターに向かう。  エレベーターはすぐにやってきたので、私は...
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夏花の向こう

 ある夏の暑い日。  僕は庭の花壇で花の幹についたアブラムシを取っていた。 「お小遣いが欲しいならお手伝いをしなさい」と母に言われてしぶしぶ花壇の水やりをした僕は、そのままアブラムシ取りまで命じられてしまったのだ。...
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凍結流刑

「1497番、出ろ」  看守に呼ばれて独房を出る。  ついにか、と思う。  俺は死刑の判決を受け、すでに半年以上この刑務所に服役している。  そろそろだと思っていた。  しかし看守は俺を看守長の部屋...
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悟りのナッツ

 同僚から「これ食うか」とナッツをもらった。 「なんだよこれ」 「いいから食ってみろ」  それはよく酒のつまみなんかにあるミックスナッツのようで、俺は手のひらのナッツをパラパラと口の中に入れた。  途端、さ...
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水の女神様

 ある夏の暑い日の夕方。  庭の花壇に水を撒いていると、バケツに溜まった水がボコボコと泡立っているのを見つけた。  なんだろう、と思いバケツを見てみる。  特に何かが入り込んだわけでもないのに、バケツは一人...
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激辛ホラーAI

「ホラー好きのおまえにいいものを持ってきたぞ」  友人の中でも奇人中の奇人である友人がそんなことを言った。 「なんだい」 「ほら、これだ」  友人の差し出したそれは、なんというかヘルメットに近い、おかしなも...
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