ショートショート作品

カリスマ○○師

 私の夫はいわゆるカリスマ美容師である。  私も美容師をしているが、平凡な私などとは違い、彼は美容関係の雑誌のインタビューを受けたり、果てはテレビ出演なども飾るほど人気のある美容師だ。  第一線で活躍している夫は私の憧れで...
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釣果、イチ

 その日は良い天気で、僕は一人、穴場スポットで釣り糸を垂らしていていた。  休日、僕は大体いつもここでこうして釣りをしている。  釣果はあったら嬉しいし、別に無くても良いのだ。  と、その時、浮きが沈み、釣り竿に手...
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水たまり誘拐事件

 捜査一課の刑事、佐伯は苛つきながら貧乏ゆすりを繰り返した。  佐伯はこの数日に頻発している行方不明者の捜査指揮を行っている。  その事件は通称「水たまり誘拐事件」と呼ばれ、課を横断しての捜査が行われているのだった。 ...
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逃げる割烹着

 僕がまだ幼い頃、お母さんは割烹着を着て台所に立っていた。  それだけなら普通の思い出だろう。  だがお母さんの割烹着は少し変わっていた。  その割烹着は、よくいなくなったのだ。  お母さんは割烹着がいなく...
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日帰りマンション

 大学に進学した僕は格安の部屋を借りた。  都心のマンションなのだが、なんと月の家賃が一万円なのである。  しかも間取りは2LDKなので一人暮らしには広すぎるくらいなのだ。  ただし、この部屋には一つ"制約"がつい...
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マンスリー後輩

 私には後輩がいない。  新卒で入ったこの会社は社員数が三十人ほどの会社なのだが、私が入った後は新入社員が一人も入ってきていないのだ。 「五年ですよ、五年!」  私は飲み会の席で社長にそう愚痴を言った。  ...
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越冬樹木

 森の生態系について研究している私はいち早くその変化に気がついた。  森にはたくさんの動物が生息しているのだが、その動物たちの冬眠の痕跡が見当たらないのだ。  動物は冬眠しなければ冬を越せないはずである。  私はそ...
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小説家の眼光

 一人の小説家がベッドに寝かされている。  部屋に白衣を着た男がやってきて小説家に向かって言った。 「今日の話はできたかね」  小説家は男の声に反応してぼそぼそと話し始めた。  それは一つの物語だった。 ...
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海底の利息

 ある一人の老人が、よく釣りに出かけていた。  沖釣りである。  老人は暇さえあれば釣りに出かけていったのだった。    そんな老人が亡くなり、遺産が息子に引き継がれることになった。  老人の弁護士...
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観察日記の勧誘

 暇を持て余した大学生、植田は公園のベンチに座りながら無為な時間を過ごしていた。  と、ボケッと座っている植田に一人の老人が声をかけた。 「あの」  声をかけられた植田はかったるそうに「はい?」と答えた。 ...
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