ショートショート作品

きびだんごさんの飴

 ここに「きびだんごさんの飴」がある。  そういう名前のお菓子ではない。  私の勤める会社には「きびだんごさん」というあだ名の先輩がいる。  男性の先輩なのだが、面倒見が良くたくさんの社員から慕われており、彼は他の...
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山のお守り

 僕は山が好きだ。  今も山に登っている。  ここは全然有名な山ではない。  そういう山はもうほとんど登ってしまったのだ。  でもこういう山も嫌いではない。  山は有名だからいい、ということもないの...
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地図上の浮き輪

 私はトイレに大きな日本地図を貼っている。  都道府県の場所と名前を覚える為だ。  大人になり、漁師をしているのに、これらをきちんと覚えていないのでトイレで特訓しているのである。  と、地図上の太平洋側に、何か小さ...
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場沸かし機

「素晴らしいものを発明したぞ」 「なんですか」 「場沸かし機というものだ」 「湯沸かし器?」 「場沸かし機だ。会話では間違えないだろう」 「失礼しました。で、それはどんなものなんですか?」 ...
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伝説の白菜

「伝説の白菜」を取り寄せた。  その白菜は、なんでも美味しすぎて「歯が抜ける」のだそうだ。  美味しすぎて歯が抜けるなんて、そんな大袈裟なと思いながら、白菜を刻む。  普通の白菜にはない独特な香りがする。 ...
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地球の実

「地球の実」というものがあると聞いてから、私はその実をずっと探し続けてきた。  地球の実を食べれば、不老不死の力が手に入るとも、人智を超えた力が手に入るとも言われている。  地球の実はこの地球上に一つだけなっていて、後にも...
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見知らぬ町の看板

 私は適当な駅で電車を降りて、知らない町を歩き始めた。  最近のマイブームなのである。  気ままに、なんの変哲もない町を歩く。  と、犯罪予防の看板があった。 【気をつけて 夜道に潜む 闇の罠】 【...
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雨男誘致

 雨男の移住を誘致した町があったらしい。  その町は水不足に悩まされることが多かったからだとか。  応募はたくさんあったそうだが、厳選なる審査でそのほとんどが落ちたらしい。  審査員が一ヶ月張り付き、本物の雨男かど...
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トレードサーフィン

 僕は海外へ飛んだ。  あるお金持ちに会う為だ。  彼は株のトレーダーである。  彼はサーフボードを抱えながら僕に言った。 「波でチャートの動きを察知するんだよ」  彼曰く、サーフィンと同じようにチ...
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新米メデューサ

 私は自分がメデューサだと思っている。  なぜなら、私が見つめると人がよく固まるからだ。  だから、あまり人と長時間目を合わせないようにしている。  会社の先輩である桐野さんは、二人きりの食事のあとにこう言った。 ...
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