ショートショート作品

孤島のレシピ本

 外国の料理ツアーに参加した一人の日本人シェフが帰りのフェリーに乗っていた際、そのフェリーが海難事故を起こし、シェフは無人島に漂着した。  そのシェフは、漂着した無人島であるレシピ本を発見した。  雨風で崩れそうになってい...
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ポチの鈴

 仏壇に置いておいたポチの鈴がリンリンと鳴った。  最初は隙間風でも吹いたのかと思ったが、どうも違う。 「ポチ?」  思わず私はそう声をかけた。  リンリンと鳴っているその鈴はポチが大好きだった鈴だ...
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骸きび

 私は夏休みに妹と一緒におじいちゃんの家に遊びにきました。  いつもはお母さんやお父さんと一緒に来るのですが、今年は妹と二人だけです。  二人でやってきた私たちをおじいちゃんは歓迎してくれました。  おじいちゃんの...
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招きの猫

 最近、猫に招かれる事案が発生しているらしい。  道を歩いていると目線の先に猫が座っている。  猫はこちらに気がつくと招くように先を歩き出す。  猫に招かれてついて行くと、どんどん知らない場所に行ってしまい、帰れな...
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感想巻き貝

 私はアーティストである久住先生のマネージャーをしている。  その日も久住先生の個展の準備を進めていた私だったが、普段個展の運営には口を出さない久住先生が突然こんなことを言った。 「来場客の意見を聞きたい」  それ...
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ほかほかふりかけ

 私がまだ中学生の頃、「ほかほかふりかけ」というふりかけが一時的に流行った。  そのふりかけは、お弁当にかけるとご飯やおかずがほかほかになるというすぐれものだった。  発売開始後、ほかほかふりかけはすぐに話題になり私や他の...
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川になった少年

 体の弱い私の為に、夫が空気のきれいな場所に引越しを決めてくれた。  引越し先の家は人里離れた丘にあって、近くに小さな川が流れていた。  夫は前まで徒歩圏内にあった町の職場に車で出勤した。  一人息子の涼太はよく川...
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最上のカクテル

 無類の酒好きである私は飲み仲間から会員制のバーを紹介してもらった。  なんでも、普通の酒では満足できなくなった人間が行く場所らしい。  そのバーはいつも飲みに行く界隈の、もう一つ奥の路地にあるらしい。  こ...
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盆泥棒

 今年もお盆の時期がやってきた。  私はご先祖を迎える準備を始めた。  まずはナスと割り箸でご先祖が帰る為の"牛"を作る。  これに乗ってゆっくり天国に戻っていただくのだ。  さて、普通の家庭では迎えにはキ...
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流浪旅館の代金

 この世のどこかに「流浪旅館」と呼ばれる幻の旅館があるらしい。  流浪旅館は一生に一度しか泊まれない旅館である。  ゆえに、かどうかは定かではないが、旅館マニアの間では「最上の旅館」と評されることもある。  そんな...
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