夢作家

ショートショート作品
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 私は作家をしている。

 私にはある特殊な能力がある。

 その能力とは、夢でアイデアを得る能力である。

 私がアイデアにつまると、いつも夢の中に誰かが現れる。

 それが誰かは夢を見てみるまで分からない。

 夢で誰かがもたらしてくれたアイデアを、私は眠ったまま枕元のメモ帳にメモする。

 朝起きて、そのメモ帳に書かれたアイデアを元にアイデアを膨らませ、作品にするのである。

 その日も私は夢を見た。

 夢を見ている時は素晴らしいアイデアだと思った。

 しかしその夢で変わっていたのは、目の前にいるのがどうも人間とは思えない何かだったことだ。

 正体のはっきりしないそれは、私に色々なアイデアを授けてくれた。

 それは今まで考えたことも聞いたこともないようなアイデアだった。

 目を覚ました私は、さっそくアイデアメモを元にアイデアを膨らませようとした。

 しかし、今回に限ってメモの字がみみずが這ったような字になっていて、解読不能だった。

 寝ぼけたのだろうか。

 私はなんとか夢の内容を思い出そうとしたが、夢の中の出来事はぼんやりとしか思い出せず、いくら頑張ってもダメだった。

 それから数週間後。

 地球に宇宙人が襲来した。

 地球侵略を目的としたその宇宙人たちが書く字は、まるでみみずが這ったような字だったという。

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