小狐

ショートショート作品

もたれ壁

「部長って、疲れたりしないんですか?」  部署の若手社員に突然そんなことを聞かれた。 「なんだよ、藪から棒に」 「いやぁ、いつもキリッと仕事してるし、疲れたりしなさそうだなぁって」 「そんなわけない...
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呪いの赤い糸

 私の小指からは赤い糸が伸びている。  それだけなら素敵な話なのかもしれなかった。  しかしその赤い糸は私自身のみならず、他人にも見えるから質が悪い。  私は幼い頃からその赤い糸の先にいる男の子との仲を囃し立てられ...
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踊るシャワーヘッド

 マンション近くの道を、主婦らしき女二人が歩いている。  二人は周りに聞こえていることなどお構いなしという様子で話をしていた。 「ねぇ、山下さんちのシャワーヘッドのこと聞いたぁ!?」 「え、なぁに、それ?」 ...
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仕送りVR

 お母さんからの仕送りの中に、毎度おなじみのVRデータがあった。  早速再生してみると、実家の台所が映って、お母さんが現れた。 「美咲〜、元気ー?」  お母さんはいつでも元気だ。 「元気だよ」と答えるが当...
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無重力海岸入学試験

 アメリカのある州に一年に一度だけ無重力状態になる海岸があるらしい。  その日、海岸に立つと体がふわりと浮いて、無重力状態を体験ができるというのだ。  なんとも不思議な話ではあるが、僕はその海岸について、多分普通の人とは違...
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四コマ草

 しばらく手入れをしていなかった庭の草でもむしろうと外に出た私は妙な草を見つけた。  それは庭の隅に生えていた。  見たこともない草でそのツルの形が妙だった。  草から伸びたツルが四角い枠を作っている。  ...
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マスク・ド・メロン

 私はメロン農家をやっている。  今年も収穫の時期がやってきた。  大きな災害もなく良く育ってくれたメロンを一つ一つ収穫していく。 「よっこいせ」  私はそんな掛け声をあげながらメロンを収穫した。 ...
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門付袴

 私は結婚式の準備で智くんの実家にやってきていた。  式当日についての打ち合わせだったり、智くんが当日着る着物の確認などをする予定である。  智くんに案内された和室に入ると、立派な紋付袴が壁にかけてあった。  結婚...
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それは範疇外

 俺は「七不思議寝袋」の噂を聞いてこの店にやってきた。  ここは様々な古道具を売っている店らしいが、正直何か特別なものが売っているようには見えない。  店に入ると店の主人らしき男が奥のレジカウンターからこちらを見て、小さな...
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あみだメロン

 おじいちゃんとおばあちゃんの家に親戚のみんなで集まった時、メロン農家をやっている昇一お兄ちゃんがどっさりメロンを持ってきてくれた。  私を含めた子供たちはみんな喜んでそのメロンを食べた。  冷たくて美味しいメロンに舌鼓を...
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