小狐

ショートショート作品

風のクリーニング屋さん

 引っ越してきた町のマンションで私は洗濯をしていた。  夫とは家事を分担していて、在宅ワークをしている私は洗濯を担当している。  息子が毎日服をバンバン汚してくるので、一日に何回も洗濯をしなくてはいけない日もある。 ...
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濾過先輩

 いつも穏やかな先輩が、上司に理不尽な理由で怒られた。  上司は先輩を恫喝し続けたが、先輩は涼しい顔をして聞いている。  自席に戻ってきた先輩に「どうしてそんなに落ち着いていられるんですか?」と聞いてみた。  する...
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侵略を免れた国

 ある日、世界中である怪現象が観測された。  海に模様が浮き出たのである。  それはまるでミステリーサークルのようであった。  ある人間が「宇宙人が目印にして侵略してくるんだ」と言った。  その発言を多くの...
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お仕事ジャケット

 お小遣いがほしいなぁと思っていると、おじさんが面白いものをくれた。  それは「お仕事ジャケット」というものだった。 「これを着てると、お仕事を頼まれるんだ。それで、そのお仕事をやってあげるとお小遣いをもらえたり、食べ物を...
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海のホスト

 私は取材で海際に建つ家にやってきた。  ここには「海のホスト」がいる。  彼はにこっと笑いながら言った。 「何故か魚に好かれてしまうんですよ」  なんでも、彼はただ普通に泳ぐだけで魚に好かれてしまい、魚が...
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彼女が振り向くと

 初めて大学に行った時、私はあの子に出会った。  大学ってどんな所だろう、これからどんな授業をするのかなぁ、なんて考えながら歩いていた私は、前をオシャレな女の子が歩いているのを発見した。  彼女は桜色のロングスカート履いて...
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エコドッグ

 私は靴を履いてから口笛を吹いた。  三匹のエコドッグがトコトコと寄ってくる。  今日は……一番小さいマルでいいか。 「おいで」  私はマルに声をかけた。  マルは私の後をトコトコとついてくる。 ...
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夢啓発の誘い

 私は自己肯定感が低い。  何かにつけ「自分なんか」と思ってしまう。  そんな私に友達が「夢啓発いいよ」と言った。 「なにそれ?」 「夢の中で褒めてもらうの。しかもイケメンに」 「イケメンに!? ど...
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ルーティンアイス

 娘の詩織は実家暮らしをしながら都内の会社に通っていた。  朝、母親が怒りながら詩織を起こしに来る。  詩織は朝が苦手で、いつも会社に遅刻しそうになるのだ。  詩織は、無意識に起きたり歯を磨いたり、ご飯を食べたりで...
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感情カルテ

「感情カルテ」を使ってみた。  自分の感情を、豆粒みたいなドクタードローンに観測してもらって、カルテを作るのだ。  自分の感情の起伏を理解して、仕事に役立てようと思ったのである。  感情カルテを作ってみると、自分は...
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