船内で暇をしていた僕は、先輩に「面白い話ないですか?」と聞いた。
すると先輩はこんな話をした。
「今まで食べた一番美味しい料理について教えてやろうか」
「えぇ、ぜひ」
「宇宙は広いからな、たくさんのものを食べてきたよ。地球にあるものも美味しいけど、それ以上に美味しいものもたくさんあったな。だけどな、一番美味しかったのは、やっぱりあの星で食べたもんだよ。通称”鍋星”って言われているアレだ」
その星については、噂で聞いただけだが、僕も知っていた。
あるところに鍋型の星がある。
その星に向かって、カプセルに入れた食材を投下する。
すると料理になって返ってくるというのだ。
「鍋星の作る料理は本当に美味しくてなぁ。おまえも一度食べてみるといい。場所教えるから」
「すごく興味あります! でも鍋星ってなんなんですかね?」
「さぁなぁ。正体は分かっていないからな」
「誰も調べてないんですかね? どんな人たちが住んでいるのか、気になります。今度鍋星に降りてみようかなぁ」
僕がそう言うと、先輩はふ、と笑ってこう言った。
「ミンチになりたければ、好きにすればいいさ」
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