ショートショート作品

離脱温泉

 僕は一人、人里離れた場所にある温泉にやってきた。  この温泉にはおかしな効能があるらしい。  温泉の入口にいた老齢の女性に入浴料を支払って温泉に入る。  温泉は露天風呂になっていた。  入浴は一人ずつしか...
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タイムマシンマニア

 あるところに、タイムマシンマニアの男がいた。  男は生半可なマニアではなかった。  必ずタイムマシンを作り上げてやるんだ、という情熱を持っていた。  男は様々な文献を読み漁り、タイムマシンが登場する漫画や子供向け...
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貝財布

 私の家には貝のお財布がある。  二枚貝のお財布だ。  貝のお財布の中にはお父さんが入れてくれた小銭がたくさん入っている。  貝のお財布からはいくらお金を取ってもいい。  ただし、取れれば、だけど。 ...
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深海のスープ

 ある男が出張先でイタリア料理を食べた。  その店で出てきたスープが絶品で、男はシェフに「是非レシピを教えて下さい」と言った。  するとシェフはこう答えた。 「ダメです」 「頼む、この通りだ」 「ダ...
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不幸の夢を見る

 ある国で奇妙な出来事が起こった。  おかしな夢を見る人が続出したのである。  餓死している人の夢や夫の不貞が発覚した女性の夢など。  そんな、人の不幸に関する夢を見る。  この現象はなんなのか。 ...
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空想校庭

 窓際の席になった時、校庭を見ながらぼんやり授業を受けていた。  小学校の頃、校庭に野良犬が入り込んできてびっくりしたなぁ。  そんなことを考えていると、まさに今、校庭に犬が入り込んできた。  私は隣の席のよっしー...
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育つ手帳

 小さい頃から、お父さんの手帳が羨ましかった。  黒い革の手帳で、すごくかっこ良かった。 「この手帳はね、育てたんだよ」  お父さんが言うには、小さい頃から手帳をつけ続けていたらどんどん育ち、立派になったらしい。 ...
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時計細胞

 ある学者が世紀の発見をした。  "時計細胞"なるものを発見したのである。  幼い頃は一日を長く感じ、大人になると短く感じるが、それはこの"時計細胞"が引き起こしている錯覚らしい。  これまでは、大人になるにつれて...
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想い人射的

 ふらっと散歩をしていると、怪しげな縁日の屋台を見つけた。  その看板には「想い人射的」と書いてある。  へぇ、射的なんて珍しい。 「射的を当てたら、その人に会えるよ」  屋台の親父さんがにやりと笑う。 ...
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ある限界集落のお話

 昔々、あるところに貧しい村がありました。  その村はいわゆる限界集落だったのですが、ある時、村から温泉が出ました。  村人が温泉に足を浸して鼻歌を歌いました。  すると、温泉がボコボコと泡立ちます。  ど...
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