会社で使っていたパソコンがおかしくなった。
文字の変換がうまくいかないのである。
「お世話になっております」と打とうとしたら「押せ輪になって」になってしまうし、「貴社」と打てば「汽車」になる。
何度再起動をしても直らない。OSを初期化してもダメだ。
どうしようもないので、私はパソコンを近所の古道具屋さんに引き取ってもらうことにした。
古道具屋さんは電子機器も扱っているのだ。
私がパソコンを持って古道具屋さんを尋ね、訳を話すとお店のご主人が「あぁ、これは欲しがりそうな人がいますよ」と言った。
後日、ご主人の言う通りパソコンは無事売れたらしい。
どんな人が買っていったのですが、と聞いてみたところ、なんとその買い手は小説家なのだそうだ。
古道具屋のご主人が笑いながら言った。
「とんでもない変換から意外なアイデアを思いつくことがあるそうですよ」
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