通学路にあるプレハブ小屋が、なんだかひからびて細くなっているような気がした。
前からあんなに細かったっけ?
もっと太い建物だったような。
一緒の通学路のコウちゃんにそう言うと、コウちゃんは「水やったら元に戻るんじゃね?」と笑った。
僕はコウちゃんと一緒にプレハブ小屋に近づいた。
プレハブ小屋はかさかさに乾いていた。
近くに水道があったので、ちょっと穴の空いたバケツに水を汲んで、プレハブ小屋にかけた。
しかし何も起きなかった。
僕はプレハブ小屋の裏手に回ってみた。
特になんの異常もない。
表側に戻ってくると、コウちゃんがいなかった。
「コウちゃん?」
僕はコウちゃんを探したが、とうとう見つからなかった。
先に帰ってしまったのだろうか。
仕方なく、僕は一人で帰った。
夜になって、大騒ぎになった。
コウちゃんが家に帰っていないというのだ。
僕は今日のことをお母さんやお父さんに話した。
あのプレハブ小屋の近くが捜索されたらしいが、それでもコウちゃんは見つからなかった。
翌朝、僕は一人で学校に向かった。
すると、昨日はいつもより細く見えたプレハブ小屋が、普通の大きさのプレハブ小屋に戻っていた。
コウちゃんはまだ見つかっていない。
コメント