いい加減ダイエットをしなくては、と思った僕は、「派遣ダイエット」というサービスを利用してみることにした。
このサービスは、ダイエットの見本を見せてもらうサービスなのである。
僕のところに派遣されてきたダイエッターさんは、僕とほとんど同じ体重で、僕と同い年だった。
これから、この派遣されてきたダイエッターさんと一緒に生活をする。
僕が普通に今まで通りの食事をしている一方で、ダイエッターさんは必要最低限しか食べなかった。
そして暇さえあれば運動している。
僕が仕事をしている時間帯は運動をしていない。
体重が変わらない僕を尻目に、ダイエッターさんはみるみる痩せていった。
そんな姿を見て、僕も触発され、食事を絞ることにした。
ダイエッターさんと同じ時間だけ運動もした。
すると、僕は順調に痩せていった。
サービス終了時には、僕は理想の体重まで痩せることができた。
僕はダイエッターさんにお礼を言った。
「ありがとうございます。あなたが出来ているんだから僕にもできる、と頑張ることができました」
「こちらこそありがとうございます。この仕事をしていて一番嬉しいのは、そういうお言葉をいただけることです。しかし辛いのもここからなんですよ」
「え?」
「次の仕事の準備です。ダイエットをすると胃が小さくなりますからね。私も人の力を借りているのです」
ダイエッターさんはそう言うと、大食いの動画を見ながら山盛りの揚げ物を食べ始めた。
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