実家の物置を整理していた時、一冊の古びた日記を見つけた。
ぱらりと中身を見てみる。
ドキリとした。
日記の日付がおかしい。
来年のことが書いてある。
来年だけではなく、ずっとずっと先まで。
まさかこれは予言書のようなものなのだろうか。
しかしよくよく読んでみると、今日までの過去に関する内容もデタラメだった。
きっと誰かの創作だろう。
私はこんなの書いていないから、家族の誰かが書いたのかな。
しかし、この日記の中には穏やかではない内容が書いてあった。
今から三年前の日付で、世界大戦が起こったという。
そして日本、いや地球全体が荒野になってしまったらしい。
私はその内容に引き込まれてどんどんページをめくった。
その日記の主はこんなことを書いていた。
『私はまもなく息絶える。私のいるこの世界以外の世界があると聞いたから、この日記を書いてみる。別の世界に届くことを願って……』
日記はそこで終わっていた。
不思議な日記だ。
ぱたりと日記を閉じると、裏表紙にこの日記を書いたと思われる人物の名前が書いてあった。
それは私の名前だった。
コメント