カナリアドリンク

ショートショート作品
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 コヤギ博士がまた新しい発明をしたというので、私は博士の研究所にやってきた。

 コヤギ博士は、私を見るなり言った。

「素晴らしいドリンクを開発したよ!」

 なんでも、そのドリンクとは”カナリアドリンク”というもので、飲むだけでいい声になれるらしい。

「ただし短い間だけだがね。そこにたくさんあるから、持っていくといい」

 私は博士にお礼を言って、たくさん置いてあるカナリアドリンクを持って帰った。

 ドリンクを持って帰った私は、ドリンクを妻にあげることにした。

 妻は明日友だちとカラオケに行くと言っていたからだ。

 妻は「ありがとう! これで明日は高得点が期待できるね」とはしゃいでいた。

 翌日、私は妻を見送り、一人の時間を満喫していた。

 と、そこにコヤギ博士から電話がかかってきた。

 博士は何やら慌てた様子で言った。

「き、君、どれを持っていった!?」

「え?」

 その時、突然玄関が勢いよく開いて、そこに妻が立っていた。

 コヤギ博士が電話越しに言った。

「実は、あのドリンクの中に、テストで作ったスズメバージョンが混じっていたのだよ」

 玄関に立つ妻は顔を真っ赤にして怒っているのだが、言葉がすべて”ちゅんちゅん”になってしまっており、まるで怖くなかった。

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