ある町で、漁師が海底に沈んでいた鳥かごを見つけた。
鳥かごの中にはまだ生きている鳥がいて、船は大騒ぎになった。
漁師が鳥かごを持ち帰る途中で、鳥は鳥かごから抜けて逃げてしまった。
漁師の話を聞いて、村の人々は鳥かごの研究を始めた。
その鳥かごには、完全に水を遮断できる技術が使われていた。
研究者は「う〜む、これはすごい」と熱心に鳥かごを研究し、ついにその原理を解明した。
そしてその原理を応用して、水を弾く新素材を生み出したのである。
新素材を使った服を村の名物品として売り出し、村は大いに潤った。
しかし、である。
あの海底の鳥かごに入っていた鳥は、何も食べずに、また限り在る酸素しかないはずの空間でどうやって生き延びていたのか。
あの鳥の方にもっと大きな秘密が隠されていたのに、まだ人々はそのことに気づいていないのであった。
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