ある限界集落のお話

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 昔々、あるところに貧しい村がありました。

 その村はいわゆる限界集落だったのですが、ある時、村から温泉が出ました。

 村人が温泉に足を浸して鼻歌を歌いました。

 すると、温泉がボコボコと泡立ちます。

 どうやら歌声につられているようです。

 こりゃあ面白い、と、村人は村の人々を呼び集めました。

 村人たちはボコボコ泡立つ温泉の周りで踊りを踊り、いつしかそれはお祭りになっていきました。

 村長は、この温泉をなんとか観光地にできないものかなと考えました。

 様々なPRをしてみますが、うまくいきません。

 そんな時、村にさすらいのDJがやってきました。

 DJは温泉を見て「面白いな」とつぶやきました。

 DJは温泉の近くでDJプレイを披露しました。

 すると、温泉はぶわーーっと間欠泉のように吹き出しました。

 それから、この村はDJバトルの聖地となり、村も潤ったということです。

 おしまい。

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