厄災のナイフ

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 あるナイフの話をしよう。

 そのナイフは「厄災のナイフ」と呼ばれていた。

 厄災のナイフに傷つけられるとシリアルキラーになってしまう。

 さらにそのシリアルキラーに傷つけられた人間もシリアルキラーになるのだ。

 まるでウイルスが爆発的感染を引き起こすが如く、シリアルキラーが増えていくのである。

 
 そんな厄災のナイフであったが、ある一人の伝説のシリアルキラーが、相手を傷つけるのではなくきっちり全員殺した為、新たなシリアルキラーは生まれなくなった。

 厄災のナイフは今、世界のどこかに隠されている。

 それは堅牢な隠し場所で、人間には決して到達できない場所にあるらしい。

 ナイフの存在すら人類には隠されていた。

 しかし今、恐ろしいことが起きている。

 ナイフの隠し場所に侵入したものがいた。

 人間ではない。

 それはある一匹のネズミであった。

 ネズミはナイフで傷ついてしまった。

 獰猛になったネズミは、どこかに走り去っていった。

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