私は今日も行きつけの定食屋に向かった。
ここの料理はすごく美味しく、そして妙に懐かしい味がするのだ。
店に通い続けるうちに女将さんと仲良くなった私は、女将さんに聞いてみた。
「ここの料理はどうしてこんなに懐かしい味がするんですか?」
女将さんによると特別なふりかけを使っているかららしい。
ふりかけをふると思い出の味が蘇るそうだ。
「そのふりかけ、なんとか分けてくれませんか」
私は女将さんにそう頼み込んだ。
しかし女将さんは頭を振り、取り扱いが難しいので分けることはできないと言った。
「そこをなんとか」
私は頭を下げて何度もお願いしたが、ダメだった。
ある日の夜中。
私はあの定食屋に侵入した。
そして厨房の奥から例のふりかけの入ったビンを発見した。
どうしても欲しかったのだ。
家に帰ってから色々な料理にこのふりかけをかけてみよう。
そう思いながら店を出ようとした私は、誤ってビンを倒してしまった。
ビンからふりかけが飛び散り、足にかかる。
すると、なんだか無性に足がうまそうに見えてきて……。
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