昔から不思議だった。
なぜガキ大将はいるのだろう。
私はガキ大将ではなかったので、いつも彼らが羨ましかった。
だから私は研究をすることにした。
統計を取るうちに、色々分かってきた。
背丈の大きさや積極性などがガキ大将になる素養のようである。
そしてガキ大将になる素養の中で最も興味深かったのが、声の波長である。
ガキ大将になる子供は、みんな声が低い傾向にある。
これらの研究結果を応用すれば、リーダーシップを発揮できるのでは、と私は考えた。
私は研究結果を学会で発表した。
しかし、私の研究はいつのまにか上司との共同研究になっていた。
「いいよな?」
上司に低い声と笑顔で肩を叩かれる。
「はい……」
私はそう答えながら、決意を新たにした。
次こそは。
今度は個人で本として出版しよう。
タイトルは「ガキ大将への逆襲」だ。
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