ショートショート作品

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悟りの自販機

 悟り自販機、という自動販売機が稼働を始めた。  自販機から出てきた缶の中にある空気を吸い込むと、悟りの境地に至ることができる、という優れものである。  僕は今、部長に呼び出されている。  部長のデスクに向かう前に...
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愛情圧測定器

 彼のことが好きだ。  しかし、その「好きだ」という愛情が困りものなのである。  私は今まで付き合った人たちから「圧が強いんだよ」と言われてきたのだ。  好きになると、ぐいぐい行き過ぎるのが私の悪い癖である。 ...
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抱かれ枕

 私は今、新商品の開発に関わっている。  その商品とは「抱かれ枕」である。  自分で枕を抱くのではなく、優しく包み込むように抱いてくれる枕が欲しい、という社員の要望をアイデアにして作り出した商品だ。  枕は動物をモ...
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経費探偵

 経理部の部長を務める私は会社の財政再建のために、ある探偵を雇った。  彼はすぐにやってきた。まだ若い。  敏腕の探偵、というよりは若手の社員のようだ。  彼は"経費探偵"と呼ばれる探偵である。 「さっそく...
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クレーム処理の最適解

 私は責任者としてテレビの取材に答えた。 「弊社のコールセンターは……」  こうして取材に答えるのは私のような人間だが、コールセンターで実際に稼働しているのはAIである。  コールセンターに電話してきたクレーマーは...
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気のせいの精

 色々なことを気にしがちな私は、「気のせいの精」を雇った。  ある占い師に紹介してもらったのである。  気のせいの精は、私が「みんなから変に思われたらどうしよう」とか思った時にやってきて、 「気のせいだよ」と言ってく...
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働きたいお化け屋敷

 私は雲の上から、えいやと飛び降りた。  どうしても現世でやりたいことがあったのだ。  お化け屋敷で働いてみたい。それが私の数少ない夢だった。  生きている頃は勇気が出なかったが、何しろ今は本物の幽霊なのだからきっ...
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天職枕

 漠然と、今の仕事は私の天職なのかな、と疑問に思った。  今勤めている会社は、いい会社である。  規模は小さいけど、みんな仲が良いし、働きやすい。  でも、もしかしたらもっと自分にあった仕事があったりするのかも、と...
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注射忍者

 とにかく注射が苦手だ。  私は昔から予防接種などの注射を恐れてきた。  それなのに、また今年も予防接種の季節がやってきてしまった。  思わずため息をついた私に、友だちが言った。 「いいサービスがあるよ」 ...
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マネキン占い

 最近、ハマっている占いがある。 「マネキン占い」だ。  会社の近くにあるビルの一階にアパレルショップがあって、その店のショーウインドーにマネキンが飾られている。  そのマネキンが着ている服の色で、一日の運勢を占う...
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