ショートショート作品

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きまぐれ温泉

 ある奇妙な温泉の噂を聞いた。  なんでも、その温泉は入る時間によって温度が変わるそうだ。  ベストなタイミングで入ると凄まじい気持ち良さだという噂である。  俺は友達の智樹と一緒にその温泉がある場所へと向かった。...
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怪盗夕立ち

 私の住んでいる町には「怪盗夕立ち」が出る。  夕立ちが降ると町にある何かが一つ盗まれる。  それは高価なものから安価なものまで様々だった。  だから私の町の人々は夕立ちが降ると大急ぎで雨戸を閉める。  そ...
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心配性な目覚まし時計

 彼氏からプレゼントで目覚まし時計をもらった。  プレゼントに目覚まし時計なんて味気ないと普通は思うだろうけど、私たちの場合はちゃんと理由がある。  理由その一。私の遅刻癖。  私は昔から時間にルーズで、学校の始業...
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手品師の生徒

 同じクラスの内海くんは手品が得意だ。  休み時間などによくみんなに手品を披露して人だかりを作っている。  黒板のチョークをパッと消したり、学ランの襟元からスルスルと国旗を出すみたいにカンニングペーパーを取り出したりして先...
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また蘇る魔王

 長い眠りから覚めた魔王は、迷っていた。  現世に蘇るかどうかを。  魔王は封印の棺の中でいつまでも迷っていた。  魔王の悲願は世界征服である。  しかしその実行がためらわれる。  なぜか。 ...
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スロウバー

 バーの中に入ると、いつものぼんやりとした感覚に襲われた。  このバーに入るといつもこの感覚を味わうことになる。  私がこのバーに通う理由もこの感覚にあるのだ。  このバーは時間の流れが遅い。  ゆったりと...
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ど忘れ廊下の噂

 五年生になった僕は「ど忘れ廊下」の噂を聞いた。  五年生の教室がある校舎の三階から図工室なんかがある方へ続く廊下。  その廊下であることをすると、廊下を渡っている時の記憶をなくすというのだ。  やり方はこうだ。 ...
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砥石丸

『内面を磨こう!』  会社のお昼休みにそんな雑誌の特集を読みながら「内面を磨くって、そんなのどうしたらいいのよ」と頭の中で独り言を言った。つもりだったのが思わず口に出していたらしい。  隣の席のマミに笑われてしまっ...
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ある真夜中のドライブにて

 その日、俺は大学の友人である浩史と一緒にドライブに出かけていた。  あてもない真夜中のドライブ。  行先は適当に隣の県で有名な湖に決めていた。  取り留めのないくだらない話を二人でしていた時だった。 「あ...
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離れのすごろく

 私は毎年おじいちゃんとやるすごろくを楽しみにしていました。  私が両親と一緒に母方の実家に帰省すると、おじいちゃんがすごろくを作って待っていてくれるのです。  おじいちゃんのすごろくは手作りでした。  すごろくの...
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