ショートショート作品

雑念のゴミ箱

 中学生のユウヤは受験を控えていた。  勉強をしなければならないが中々思うように集中できない。  ある日、ユウヤはお母さんに「部屋の掃除は自分でやるから入らないで」と告げた。  誰も来なければ集中できると考えたのだ...
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喉ブルートゥース

 コヤギ博士が、またおかしな発明をしたらしいので、私は丘の上にあるコヤギ博士の研究所にやってきた。  コヤギ博士は私を見るなり興奮した様子で言った。 「これを見たまえ!」  コヤギ博士は自分の喉を指差した。 ...
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骨壷先生

 目を覚ますと、ベッドの上だった。  あれ……何があったんだっけ。  あぁ、そうだ。僕はバイクで事故を起こしたのだった。  なんだろう、右足に違和感がある。  感覚が……ない!?  もしや……。 ...
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“黒の燃料”について

 黒の燃料、というものがかつて世界には存在したらしい。  それは灯油のような性質を持つ可燃性の液体だったが、その燃料から上がる炎は、黒かった。  あるところに黒の燃料を売っているガソリンスタンドがあった。  そのガ...
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軟派な写真の中の僕

 僕が自分のおかしな体質に気づいたのは高校生の頃だ。  高校の体育祭の次の日、女子から「岡くんにナンパされる夢を見た」と言われたのである。  そして別の女子からも同じ夢を見た、と。  僕はそれではっとあることに気が...
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夫婦みくじ

 今年は初めて妻の実家で年越しをした。  元旦があけて二日の日に、妻がこんなことを言った。 「近くに面白いおみくじが引ける神社があるんだよ。行ってみない?」  妻の話では、どうやらそこでは"夫婦みくじ"というおみく...
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ゲリラ合コン

 最近、ゲリラ豪雨ならぬ「ゲリラ合コン」なる現象が起きているらしい。  町を歩いていると、いきなりその場から動けなくなり、近くにいる人と合コンが始まってしまうそうだ。  どうやら出会いを求めている若い男女に多く起こる現象ら...
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おしゃれロック

「ありがとうございました」  副社長室から出てきた男性の営業マンが、嬉しそうな表情で帰っていく。 「じゃあ、よろしくねぇ」  副社長が営業マンを見送りながらひらひらと手を振った。  嫌な予感がする。 ...
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企画の靄(もや)

「定例企画会議を始めますので、当番の方は集まってください」  社内アナウンスを受け、私は企画室に向かった。  企画室にはすでにたくさんの社員が集まっている。 「今日の議題は、B社のメインキャラクターデザインについて...
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幽霊よけスプレー

 友達の彩乃に誘われて、心霊スポットに行くことになった。  幽霊が苦手な私は本当に行くのが嫌だった。  幽霊が出たらどうしよう。  魔除けのお守りなんかを調べていると「幽霊よけスプレー」というものがあることを知った...
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