ショートショート作品

ショートショート「星空包装紙」

   友人からフィンランドのお土産をもらった時、私は正直お土産の中身よりも包装紙に興奮した。 「え、何これ……!」  包装を解いた私は思わず驚きの声をあげた。  お土産を包んでいた包装紙、その裏側に星空がプリ...
ショートショート作品

ショートショート「一夜湖」

「今夜、空いてるか」 釣り仲間の友人が電話をかけてきて、藪から棒にそんなことを聞いた。 「空いてるには空いてるけど、なんだい」 「釣りに行かないか」 「今夜って……夜釣りか」 「そう」 ...
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ショートショート「箪笥の肥しの秘法」

「へぇ! 良い箪笥を持ってるじゃないか」  一人暮らしの俺の家に遊びに来た友人が言った。 「あぁ、それ。実家を出る時に親が譲ってくれたんだけど、正直持て余してるんだよね」  大学進学を機に実家からもらってき...
ショートショート作品

ショートショート「名波さんの耳」

 営業二課の汐留さんに「名波の耳のこと知ってる?」と聞かれた。  名波さんと言えば、少しふくよかな感じだけど人当たりもよく、私が密かにちょっと素敵だなと思っている男性社員のことだ。 「耳、ですか?」 私がそ...
ショートショート作品

ショートショート「味のよく染みた鍋」

「ふ〜食った食った」 そう言って腹を叩いている友人に俺は聞いてみた。 「なぁ、今日の鍋、少なかったと思わないか」 「へ?」 「なんていうか、入れた材料よりも食べた気がしないというか」 「あぁ...
ショートショート作品

ショートショート「声床」

「最近あるビジネスを始めてね」 俺は学生時代からの友人にそう言った。 「へぇ、どんなビジネスだい?」 「これだ」 俺は"声床"を取り出した。 「うわ、なんだいこりゃ」 「これはぬか床...
与太話

ショートショート「プールを泳ぐ学ランの怪」

 学校の七不思議というものがある。 「音楽室のピアノが一人でに鳴る」だとか「校庭にある銅像が夜に動く」だとか、そんな噂。  私の通う中学校にもそんな七不思議がある。  その一つに「プールを泳ぐ学ラン」という...
ショートショート作品

ショートショート「芽が出る人間」

 新しい会社を立ち上げようと考えた時、俺はすぐに苗木に声をかけた。  苗木は学生時代の友達で、ある特異体質の人間だった。  それは頭から芽が生えるというもの。  学生時代、苗木の頭に芽が出ることを発見した俺はその...
ショートショート作品

ショートショート「祈願刀」

 私が高校受験の勉強を始めた頃、父が私を部屋に呼んだ。 「今年は受験だな」 「うん」 「早いもんだなぁ」  父はそう言って何やら感慨深そうにしている。 「何、改まって?」 「うむ。実はな」 ...
ショートショート作品

ショートショート「知覚花瓶」

 私と同じく在宅ワーカーをやっている友達の理恵がこんなことを言った。 「あんたストレス溜まってるんじゃないの〜?」 「分かる? 最近クライアントからの戻しが多くてさ。参ってるんだよね」 「あらら。あ、じゃあさ、いい...
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