人肌の温かさを保つという毛布を買った。
夜、眠る時ベッドに入るとその毛布がすでに温かいのだ。
冬なんかはベッドに入る時に勇気がいるので、これは良いものを買ったなぁと思った。
しかしある日、毛布が全然温かくならずに冷たいままになってしまった。
ベッドに入ってしばらくしても、ずっと冷たい。
こりゃダメになっちゃったかなと思い、とりあえずその日は毛布を外して眠った。
翌日、メーカーに電話をしてみようかなと思いながら毛布を持ち上げると、今度はまるで火のように熱くなっていた。
「何、これ……!?」
床が燃えやしないかと毛布を一瞬つまんでベッドに放り投げた私は、あることに気がついた。
人肌のように温かい毛布。それが冷たくなって、今度は火の中にいるように……。
その毛布がやがて回収騒ぎになったのは、言うまでもない。
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