私は夜の公園で一人、ぼーっと空を眺めていた。
今日は星がよく見える。
夜空に輝く星々は公園にある池にも反射していた。
私が池に映る星を眺めていると、一つの星がすーっと動いた。
流れ星だ、と思った瞬間、こちらに小さな光球が近づいてきた。
「うわっ!」
凄まじい光に一瞬目がくらみ、私は思わず叫び声をあげた。
目が元のように見えるようになった私は、夜の闇の中で池を何かが動いているのを見つけた。
それはチラチラと光る、小さな小さな星の光だった。
星はまるで迷子にでもなってしまったかのように池を頼りなげにさまよっていた。
ど、どうしよう!?
星はやがて池の隅に縮こまり、動かなくなってしまった。
私は何かしてあげなくちゃと思ったが、どうしたらいいのか分からない。
スマホのライトをつけ、足元を照らしながら恐る恐る星に近づくと、星は興味を示すようにこちらにやってきた。
そっか……光が好きなんだ。
私はポケットの中に入っていたレーザーポインタを取り出して、その光を星のそばに向けてやった。
すると星は嬉しそうにレーザーポインタの回りをくるくると飛んで遊び始めた。
私はレーザーポインタの光をあちこちに飛ばして星を遊ばせてやった。
と、勢い余ってポインタの光を池の外に出してしまう。
「あっ!」
星の光は池を飛び出し、地面に浮いた。
そしてお礼を言うように私の体をくるりと一周してから空に帰っていったのである。
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