AI開発の発展により、色々な未来の予想が可能となった。
その中で「絶滅探知AI」が生まれた。
生態系の歴史を機械学習し、更に外界の生態系をリアルタイムで更新、学習していく。
それによって絶滅に瀕している生物を見つけるのだ。
探知用の小部屋からアラームがなった。
小部屋に入れておいたバッタの一種に絶滅危惧信号が出ているのだ。
まさか、そんなはずはない、とAIの開発者達は思った。
このバッタは全世界におびただしいほど存在する。
絶滅の危惧レベルは極めて低い。
AIのシステム異常だろうか?
しかしそのバッタは本当に絶滅してしまった。
そのバッタの好物である植物が、一斉に毒性を持ったのだ。
開発者たちはより大きな生き物で絶滅探知の実験を行ってみることにした。
係員たちが大型の動物を小部屋に入れようとした矢先にアラームが鳴った。
そんなにすぐ分かるなんて、やはり壊れているのだろうか?
開発者の一人が「システム検証を行う為、全係員、監視室に集まってくれ」と呼びかけた。
係員が小部屋から出て監視室に集合すると、アラーム音はピタリと止んだ。
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