私はホラーやオカルト系の小説や漫画なんかが好きなのだが、最近は刺激的な作品も少なく、もっと怖い作品はないかな、と思っていた。
するとホラー友達の一人が「これ使ってみなよ」と一枚のしおりを私にくれた。
「なにこれ?」
「挟んでおくと、その小説とか漫画がホラーになるしおりだよ。まぁ、騙されたと思って使ってみなよ」
「言っておくけど、私、かなり色々見てるから、そうそう怖がらないよ」
私はそう言いながらも興味津々だった。
家に帰り、一冊の本にしおりを挟んでみる。
しばらく経ってから本を開くと、なるほど、すごく怖くなっている。
今度は試しに恋愛小説に挟んでみた。
すると、こちらもおぞましいホラーに変わったのである。
面白いしおりだなぁと思い、私は大満足でホラー小説を読み始めた。
夜中、叫び声で目が覚めた。
なんだなんだと叫び声のしたリビングに行くと、お母さんがぶるぶる震えていた。
「どうしたの?」
「こ、これ」
お母さんはどうやらファッション誌を読んでいたらしいのだが、その題名が「血も滴るいいゾンビのモテファッション」になっていた。
もしやと思い、見るとお母さんは私がリビングに置いておいたしおりをファッション誌に挟んでいたのである。
雑誌の誌面にはおぞましい写真が所狭しと……。
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