寒中ポップコーン

ショートショート作品
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 コヤギ博士が私たち家族を研究所に招いた。

「美味しいものを用意したんだよ」

 そう言ってコヤギ博士が取り出したのは、小さな豆のようなものだった。

「これはね、こうするんだよ」

 コヤギ博士は豆のようなものをボールに入れて、氷のたくさん入ったボールの上に置いた。

 やがて、ボールの中で豆がポンッと弾けた。子どもたちから歓声が上がる。

「これはな、冷やすと弾けるポップコーンなんだ」

 コヤギ博士が笑う。

 ポップーコンは次々にポンポンと弾けて、私たちはそれをキャッチして食べた。ほんのり塩味で美味しかった。ひんやりしていて珍しい風味を醸し出している。

 ポップーコンを食べる私たちを見て、博士がもじもじと何かを言いたそうにしている。そして意を決したような表情で言った。

「まさに弾けるようなおいしさだろう!」

 私たちは思わず食べる手を止めた。その瞬間、「ポンッ!」と冷やしていない豆が弾けた。

 ポンッ ポンッ

 次々にポップーコーンが弾けるが、冷えた空気はなかなか元に戻らなかった。

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