ある町に新しい特産品ができた。
それは「掘るゴール」というものだった。
なんとその町ではオルゴールが収穫できるのである。
一見、じゃがいものようなのだが、取手のようなものを回すと、どういう仕組か音楽が鳴るのである。
それがとにかく可愛いと大きな話題になり、掘るゴールは飛ぶように売れた。
だがそれも一時のことで、一年ほどすると売上が落ち込み始めた。
ブームは終わったかに思われたが、なんとまた掘るゴールの売上が伸び始めたのである。
掘るゴールは意外なところから人気に火が着いた。
正規品ではなく、非正規品が売れるようになったのである。
非正規品とは、形や大きさが規定に満たないもので、そうしたものは普通捨てられていたのだが格安で売り出してみると飛ぶように売れたのである。
非正規の掘るゴールはきちんと音楽は鳴らなかったのだが、それがまるで幼い子供が弾いているピアノのようだ、と人気が再熱したのである。
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