娘に絵本を読み聞かせていた時、娘がこんなことを言った。
「うちのシャンプーはこんなにならないねぇ」
絵本の中でお風呂に入っている女の子が髪を洗っている場面で、女の子の髪はもこもこの泡に包まれていた。
これは絵本だからなぁと思いつつ、あることを思い出した。
そういえば、実家のシャンプーはよく泡立って汚れがよくとれた。
それこそ、この絵本のように。
私は母に電話をかけて聞いてみた。
「ねぇ、うちってどんなシャンプー使ってた?」
「どんなって、普通のよ」
母によれば、実家で使っていたのはドラッグストアなどでよく見かける市販の普通のシャンプーなのだそうだ。
さっそく買ってみるが、やはり絵本や実家のようにはならない。
どうしてだろう、と思いながら髪を洗っていた時、私は「あっ」とあることに気がついた。
もしかして継ぎ足しているからじゃないだろうか。
私が電話で聞くと、母は笑いながら言った。
「私、いつもボトルを洗わないでそのまま継ぎ足しちゃってるから」
やはり。実家のシャンプーはまさに秘伝のタレのような状態なのだろう。
私は次の週末に車で一時間ほどの実家に戻り、少量のシャンプーをもらってきた。
「わぁ、すごく泡立つね!」
娘がはしゃいでいる。
我が家のシャンプーも、代々受け継がれていくことだろう。
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