最近、ハマっている占いがある。
「マネキン占い」だ。
会社の近くにあるビルの一階にアパレルショップがあって、その店のショーウインドーにマネキンが飾られている。
そのマネキンが着ている服の色で、一日の運勢を占うのだ。
赤い服を着ていたら、その日はラッキー、緑の日は平和に終わる、青の日はちょっとよくないことがあるかも……などなど。
私は赤が好きだったので、やっぱり赤い日が好きだ。
会社に行く前に確認してみると、今日も赤の日だった。
やった、これで三日連続だ！
ラッキーと思いながら私は会社に出勤した。
次の日。
今日はマネキンが黒い服を着ていた。
あ、これはやばい。
黒はアンラッキーな日なのだ。
一人、ショーウインドーの前で凹んでいると「あの！」と声をかけられた。
見ると、アパレルショップの店員さんらしき女性が立っている。
やば、怒られるかな、と思っていると、店員さんが言った。
「朝、お店の掃除をしている時に外を見ると、いつもショーウインドーを見ていらしたので、つい声をかけちゃいました」
そう言って笑う店員さんに、私は占いのことを話した。
引かれちゃうかも、と思ったのだが、店員さんはこんなことを言った。
「マネキンの服はいつも同じ色というわけにはいかないので、私が赤い格好をします。毎朝、私を見てください！」
次の日。
いつものショーウインドーを見ると、マネキンは青い服を着ていた。
マネキンの奥にある店内を見ると、あの店員さんと目が合った。
店員さんは首に赤いスカーフを巻いている。
お店の中から手を振ってくれる店員さんに手を振り返して、私は会社へ向かった。
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