羽レンズを求めて

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 僕は今、山の頂上でその時を待っていた。

 三脚を立ててカメラをセットしてある。

 そのカメラはすでにレンズを外してあった。

 このあたりに”羽レンズ”が出るという噂を聞いた。

 羽レンズとはふらふらと飛んでいる神出鬼没なレンズで、羽レンズを通して写真を撮るといい写真が撮れるらしいのだ。

 僕はじっと羽レンズが現れるのを待った。

 
 と、いつの間にか居眠りをしてしまったようで、はっと目を覚ますとカメラにレンズがついていた。

 こっそりとシャッターを押す。

 いい写真が撮れた。

 僕は大満足で山を降りた。

 帰ってきた僕は写真を恋人に見せた。

「わぁ、いい写真! すごいね」

「あぁ……」

 僕はそう言いながら首を傾げた。

 おかしいな。もっといい感じの写真だったと思うんだけど……。

 そこではっとする。

 僕はさっき山の頂上で居眠りをした。

 もしかして僕のメガネにも羽レンズが……?

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