スーパーに入る時に、柵を通る。
この「レコメンドフェンス」をはじめに発明したのは本屋らしい。
この柵を通ると客が欲しいものを的確におすすめしてくれる。
客の足が自然と求めているものに向かうのだ。
スーパーでも、買うべきものや今欲しいものをレコメンド、つまりおすすめしてくれる。
我が家が見えて来た。
自然と足が早くなる。
柵を越えて我が家に入ると、ベッドに足が向いた。
わかっている、疲れているのだ。
しかしまだ眠らない。
体が休息を求めているのは分かるが、やっと訪れた自由な時間を楽しみたかった。
翌朝。
我が家を出る。
我が家に設置されたレコメンドフェンスは当然家を出る時も作動するが、どこにも自然に足は向かない。
振り返ってみると、足が我が家の方に戻りかけた。
足の抵抗をなんとか抑えながら、私は会社に向かった。
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