ショートショート作品 働きたいお化け屋敷 私は雲の上から、えいやと飛び降りた。 どうしても現世でやりたいことがあったのだ。 お化け屋敷で働いてみたい。それが私の数少ない夢だった。 生きている頃は勇気が出なかったが、何しろ今は本物の幽霊なのだからきっ... 2021.11.10 ショートショート作品
ショートショート作品 天職枕 漠然と、今の仕事は私の天職なのかな、と疑問に思った。 今勤めている会社は、いい会社である。 規模は小さいけど、みんな仲が良いし、働きやすい。 でも、もしかしたらもっと自分にあった仕事があったりするのかも、と... 2021.11.09 ショートショート作品
ショートショート作品 注射忍者 とにかく注射が苦手だ。 私は昔から予防接種などの注射を恐れてきた。 それなのに、また今年も予防接種の季節がやってきてしまった。 思わずため息をついた私に、友だちが言った。 「いいサービスがあるよ」 ... 2021.11.08 ショートショート作品
ショートショート作品 マネキン占い 最近、ハマっている占いがある。 「マネキン占い」だ。 会社の近くにあるビルの一階にアパレルショップがあって、その店のショーウインドーにマネキンが飾られている。 そのマネキンが着ている服の色で、一日の運勢を占う... 2021.11.07 ショートショート作品
ショートショート作品 はちまき供養 私の実家である寺では「はちまき供養の火」を焚いている。 はちまきを使い終わった後、そのまま捨ててしまったり、供養せずに放置したりする人がいるが、それは危険である。 はちまきには残留思念が残るのだ。 たとえば... 2021.11.06 ショートショート作品
ショートショート作品 占いの鯉 あぁ、行くの面倒くさいなぁ。さぼっちゃおうかな。 私は大学へ行くために駅に向かいながらそんなことを考えた。 今日は面倒くさいし興味のない授業があるのである。 駅へ向かう道の途中に、鯉のいる池があった。 ... 2021.11.05 ショートショート作品
ショートショート作品 さすらうマネキン 最近、私の勤めるお店でおかしなことが起きている。 ある日、私が出勤すると、一番目立つ場所に置いておいたマネキンの服が変わっていた。 同僚に「誰か変えました?」と聞いたけれど、誰も変えていないという。 そこで... 2021.11.04 ショートショート作品
ショートショート作品 混ぜる書庫 私が働いていた古本屋には、おかしな書庫があった。 ボロボロになって売り物にはならないが、捨てるにはもったいない本を書庫に入れる。 すると、いつの間にか書庫に入れた本が一冊の本に混ざっているのだ。 色々な本を... 2021.11.03 ショートショート作品
ショートショート作品 にらめっこおじさん 一時期、小学校でにらめっこが流行った。 そんな時、通学路の途中にあるバス停で、一人のおじさんが変な顔をしているのに気づいた。 「何をしているんですか?」 思わず話しかけた僕に、おじさんは「にらめっこの練習をし... 2021.11.02 ショートショート作品
ショートショート作品 仮病のおばけ 「仮病で休むとおばけがでるよ!」が母さんの口癖だった。 そんな子供だましには乗らない、と私は時々仮病で学校を休んでいたのだけれど、ある日、本当におばけに出会ってしまった。 仮病おばけは、なぜか仮病で学校を休んだ時だけ現... 2021.11.01 ショートショート作品