女子力ランプ

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「女子力を溜めて光るランプ」

 そんな謎の商品を私が買ったのは、友達みんながあまりにもキラキラしているからだ。

 大学生活半年にして、すでにみんなの女子力の高さにあてられている。

 みんなと比べて自分の女子力のなんと低いことよ。

 私は日々浴びているこの女子力のきらめきを有効活用できないかと考えていた。

 そんな時に「女子力を溜めて光るランプ」の存在を知ったのである。

 このランプに女子力を溜めておけば災害時などに役立つだろう。

 私は小型のランプをバックに入れていつも持ち歩いていた。

 
 そんなある日、台風がやってくるということで私は早めに家に帰った。

 お父さんや弟もいつもより早く会社や学校から帰ってきて、私たちは平日としては早めの晩ごはんを食べることにした。

 テレビを見ながらお母さんの作ってくれた唐揚げを頬張っていると、突然テレビがバチッと切れた。同時にダイニングの照明も切れる。

「停電だっ」

 お父さんが言いながら席を立つ。

「母さん、懐中電灯ってどこだっけ?」

「えーっとぉ……」

 私はこんな時の為のランプの存在を思い出した。

 部屋に行ってバックの中からランプを取り出す。

 ダイニングに戻った私は「良いの持ってるよ」と言いながらランプのスイッチを押した。

 しかし……つかない。

 私はカチカチと何度もランプのスイッチを押したが、ランプは一向に光らなかった。

 どうもランプに女子力が溜まっていないらしい。

 なんだこりゃ、不良品?

 それとも……いつも眩しく感じていた友達の女子力が本物じゃなかったってことか。

 いずれにせよとんだ無用の長物を買ってしまったなぁと私が思っていた、その時だった。

 突然ランプがビカビカーっと猛烈な光を放ち始めた。

 え、な、なんで!?

 あまりの眩しさに驚いた私の目に、ランプが光った原因が飛び込んできた。

 光を放つランプの向こうで、私の視線に気づいたお母さんがお父さんの服を掴んでいた手を恥ずかしそうにそっと離した。

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