私は趣味で「廃ホタル」専門の写真家をしている。
廃ホタルとは、廃校や廃病院なんかに現れるホタルのことで、普通のホタルとは異なる色彩で光る。
そんな廃ホタルの写真を撮るのが私は好きなのであった。
私は廃ホタルの目撃情報があると、仕事を休んでまで写真を撮りに行った。
そのことについて家族に怒られることもあったが、私は気にしなかった。
廃ホタルの美しさは他の何物にも代え難い。
その日も私は妻と喧嘩をしてから眠りについた。
夜中、私は廃ホタルの夢を見ていた。
美しい光で私を魅了する廃ホタル。
ハッと目を覚ますと、なんと私の周りに廃ホタルが集まってきていた。
これはどうしたことだ!?
私は自分がすでにカメラを探し始めていることに気がついた。
そしてようやく「あぁ、私は廃人になったのだな」と思い至ったのだった。
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