だらしない私にぴったりなサービスがあると聞いた。
そのサービスとは、なんと体内に”体内時計”をインストールできるサービスらしい。
念の為言っておくが私はロボットではない。
普通の人間だ。
そんな私に時計を埋め込めるサービスを私は使ってみることにした。
体内時計をインストールすると、きっかり何時に寝て、何時に起きてという行動を時計が制御してくれるようになった。
また何時におやつを食べる、なんて腹時計も一緒にインストールされたので規則正しい食事をすることが可能となった。
体内時計をインストールしてから、よく眠れるようになり、会社にも遅刻をしなくなった。
ただ、会社で飲み会があってどうしても遅くなる日は就寝時間を変更しなければならなったりと面倒なことはあるけれど。
またお休みの日も遅くまで寝ていたいので、体内時計を変更したりしている。
体内時計は外部端末であるタブレットから変更ができるのだ。
休日明けの月曜日。
午前中をなんとか乗り切って、待望のおやつタイムを迎えた。
私の会社は、まぁ普通の会社だけれど、おやつタイムがあるのはとてもポイントが高い。
このちょっとした休憩時間が大事なのだ。
美味しいおやつを食べ終えた私は自席に戻った。
「グゥ〜〜」
え、嘘でしょ!?
今おやつを食べたばかりなのに、爆音でお腹が鳴ってしまった。
仲の良い同僚に「ちょっと、食べたばっかでしょ?」とからかわれる。
おかしいな、腹時計は正確なはずなのに……。
その後もお腹は鳴り続けたので、私は早退することにした。
こんな状態で仕事なんかできない。
最初はからかっていた同僚も、「大丈夫?」と心配してくれる。
同僚にお礼を言ってから、私は体内時計をインストールしたお店に向かった。
その道すがら、電車の中でもお腹はグーグー鳴って散々な目にあった。
もし故障だったらさすがに文句を言ってやろう、と思いながらお店につくと、お店の人が言った。
「故障ではありませんね。お客様の腹時計は毎日15時ではなく、本日15時から”毎秒”鳴るように設定されています」
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