初めて大学に行った時、私はあの子に出会った。
大学ってどんな所だろう、これからどんな授業をするのかなぁ、なんて考えながら歩いていた私は、前をオシャレな女の子が歩いているのを発見した。
彼女は桜色のロングスカート履いていた。
綺麗な色だな、と思いながら後ろ姿を見ていると、彼女がふわりと振り向いた。
彼女のロングスカートが翻った瞬間、時間が止まったように感じた。
彼女がスローモーションでこちらを振り向く。
なんて綺麗な子だろう。
なんとなく気になって目で追っていると、どうやら彼女も私と同じく一年生らしい。
彼女は大学のキャンパス内を、こっちへふらふら、あっちへふらふらしている。
そこで私は妙なことに気がついた。
彼女が動いてスカートをはためかせると、本当に時間が止まるのだ。
私だけではなく、私以外のみんなも動きを止める中、彼女だけが動き続ける。
そのことに、どうやら彼女は気がついていないらしい。
「ねぇ!」
私が彼女に声をかけると、彼女は振り向いてくれたが、その途端に時間が止まってしまう。
彼女が不思議そうな顔をして、歩き去っていく。
私は動けるようになってから彼女を追いかけ、腕を掴んで引き止めてから説明をした。
私の話を聞いた彼女はすごく驚いていた。
あの桜色のロングスカートは古着屋で買ったものらしい。
彼女は「どうりで、なんだか今日はおかしいなと思ってたんだ」と笑った。
それから私たちは友達になった。
「あ、もうこんな時間!3限遅れるよ!」
私は彼女と一緒に、授業が行われる教室に走った。
彼女はもう桜色のロングスカートは履いていないけれど、彼女と話していると時間を忘れてしまうことがあるのだ。
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