コヤギ博士に呼ばれて、私は研究所にやってきた。
「これを見てくれ」
コヤギ博士が取り出したのは、一つの弁当箱だった。
「育ち盛りの子がな、いつも早弁をしてしまって困るという悩みを解決するために発明したんだよ」
どうやら、その弁当箱は決められた時間にならないと開かないそうだ。
日の光で時間を感知するらしい。
その時間の日光を浴びるまでは開かず、開くまでは弁当の中身が傷まないのだという。
「君のところにも子供がいたな? 良ければ使ってみてくれ!」
私は弁当箱を持って帰り、次の日の弁当をその中につめて子供に持たせた。
結果、帰ってきた子供に猛クレームを受けることになった。
「曇りだったから開かなかったんだよ!」
可愛そうなことをしてしまった。私は子供に何度も謝ってから、博士に結果を報告した。
結果を聞いた博士はがっかりして、「本当にすまないことをしたね。お子さんにお詫びをしておいてくれ」と言って、たくさんの発明品が入った箱をお詫びの品に、と私に持たせた。
そんな結果に終わった弁当箱だったが、私はあるアイデアを思いつき、コヤギ博士に提案した。
結果、陽の光で開く、そして開くまで傷まないということで、ピクニック用の弁当箱として大ヒットしたのである。
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