インタビュアーが書店の店頭でマイクに向かって言った。
「こちらの書店では”消える本”を売っています。その本は、購入後、期限以内に読まないと消えてしまうというのです。いわゆる”積ん読”を解消するためのサービスで、なんとこれが大人気。さっそく店長さんにお話を聞いてみましょう!」
カメラは書店の店長らしき男性を映し出した。店長は照れている様子で言った。
「いやぁ、私自身がよく積ん読をする人間で。こんなサービスを思いついたんですよ」
うまいことを考える人もいるもんだなぁ。
その時、バチンとテレビが消えた。このテレビは三十分しかつかないテレビなのである。
スマホもさっき期限が切れた。
やれやれ、仕方ない。やるか。
作家はため息をつきながら机に向かった。
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