日記島

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 私はある島に来るように言われて、一人、この島にやってきた。

 この島の周辺には、ある珍しい魚がいる。

 それは「日記魚」という種類の魚だ。

 この島の周りを、飛び魚のように日記帳が飛び回っているのである。

 詳しく分かっていないらしいが、私をここに呼び寄せた研究チームによると、最後まで書かれずに捨てられた日記が日記魚になるらしい。

 私は「日記魚の日記の内容を読んで欲しい」と依頼されてここにやってきたのである。

 一瞬で文字を読み取るフォトリーディングと多種多様な言語を習得、さらに古代文字の解読なども行なっている私が適任、ということなのだろう。

 日記魚は国で保護されているため、捕まえて読む事はできないらしい。

 私は望遠鏡を覗いて、日記魚に書かれている日記の内容を読んだ。

 しかし……。

 これを彼らにどう伝えればいいのだろうか。

 どうやら彼らは思い違いをしているようだ。

 あれは捨てられた日記などではない。

 海底人の連絡帳のようだ。

 文字をきちんと読む事はできないが、我々人間の解剖学書のようなものもまじっていたのだが……。

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