見知らぬ町の看板

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 私は適当な駅で電車を降りて、知らない町を歩き始めた。

 最近のマイブームなのである。

 気ままに、なんの変哲もない町を歩く。

 と、犯罪予防の看板があった。

【気をつけて 夜道に潜む 闇の罠】

【そのクスリ 潜む危険が 不幸呼ぶ】

 こんな調子だ。

 こういう看板なんかを見ると、知らない町を歩いているなぁと思う。

 それにしても、やけに看板の多い町だ。

 と、また看板があった。

【本当に この道で いいですか】

 なんだろう、この看板。

 不思議に思いつつも歩いていると、今度はこんな看板が。

【この道は どこに通じる 道ですか】

 どういう意味だろう。

 少し先にはこんな看板がある。

【行き止まり 気付いてからじゃ もう遅い】

 冷や汗が出てきた。

【立ち止まれ ここが最後の 分岐点】

 看板を見た私は、その場で足を止めて引き返し始めた。

 そして、私は一枚の看板を見て、とうとう走り出してしまった。

 その看板にはこう書いてあった。

【振り返るな】

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