伝説の白菜

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「伝説の白菜」を取り寄せた。

 その白菜は、なんでも美味しすぎて「歯が抜ける」のだそうだ。

 美味しすぎて歯が抜けるなんて、そんな大袈裟なと思いながら、白菜を刻む。

 普通の白菜にはない独特な香りがする。

 とりあえず鍋と漬物にして食べてみた。

 するとどうだ。

 とにかく美味しい。

 歯ごたえが信じられないほどシャキッとしているし、味も信じられないくらい甘く、美味い。

 結局、たくさん作った鍋と漬物、全てその日のうちに食べてしまった。

 当然ながら食べ終わっても歯が抜けるなんてことはなく、大満足して眠りについた。

 次の日。

 もちろん歯は抜けていない。

 しかし会社についてすぐに、横の席に座っている生意気な後輩にこんなことを言われてしまった。

「うわ、昨日何食ったんすか!? すげー口くさいっすよ」

 ……なるほど、そういうことか。

 あの独特な香りが作用しているのだろう。

 伝説の白菜は味は美味しいが、白菜から「は」が抜けるということらしい。

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