ショートショート作品

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風のうわさ収集機

 私は今日もコヤギ博士の研究所へとやってきた。  小高い丘の上にあるコヤギ博士の研究所には巨大なパラボナアンテナのようなものが設置されていた。  中に入ってみると、これまた巨大なスクリーンの前にコヤギ博士が立っていた。スク...
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退任ブーケトス

 私が勤めている会社にはおかしな風習がある。  社長が退陣する時にブーケトスをするのだ。  そしてそのブーケを見事キャッチした人が次期社長になる。  ちなみにブーケトスに参加できるのは役員だけだ。  社長に...
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消え入り系メイク

「消え入り系メイク」というものがあるらしい。 「○○メイク」というと今までもガングロ系メイクとか地雷メイクなど色々あったが、その最先端なのだそうだ。  消え入り系メイクをすると人から認識されづらくなる効能があるらしい。 ...
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星のお医者様

 僕は夜、こっそり家を抜け出した。  夜の町はとても静かで、いつも通っている道が全然違う道に見える。  怖くはなかった。  と、町のはずれにある公園でおじさんが望遠鏡を覗いていた。  おじさんは僕に気づいて...
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流星紐くじ

 私は窓の外をぼんやりと眺めながら幼い日のことを思い出した。  その日、私は夏祭りに来ていた。  見るもの全てが魅力的に見えるお祭りで、私はあるお店を見つけた。  夏祭りが催されている神社の境内から少し離れた...
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パッチン占い

「パッチン占い」という占いがよく当たると噂に聞いた。  どんな占いなんだろう?  占い好きな私は早速お店に行ってみることにした。 「こんにちは」  お店で私を出迎えてくれたのは、私と同い年くらいの男性...
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艶ガム

 最近同僚の真奈美が綺麗になった。 「何かあった?」  私がそう聞くと真奈美はこっそりと「これを噛んでいるの」とガムを見せてくれた。 「なぁに、これ」 「今ちょっとした話題になっているんだけど、艶ガムってい...
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ピンポン占い

「では始めます」  私はそう言ってラケットを握った。  台の向こうに立つ客は卓球初心者とのことなので軽くサーブを打つ。  客はワタワタと慌てながら球を打ち返してきた。  ゆっくりとその球を打ち返す。 ...
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帯電時短法

 家に帰った私が机に触るとパチンと静電気が走った。  木製の机でなんで静電気が……といぶかしんでいると、今度は洋服ダンスからもパチンと静電気が走った。  触るところ触るところ、至るところで静電気が走る。  さらには...
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ヘッドハンティングから身を守れ!

 僕は社長から呼び出しを受け、社長室に向かった。一体なんの用事だろう。  ちょっと緊張しながら社長室に入る。 「お呼びでしょうか」  僕の呼びかけに対し、こちらに背を向けていた社長が椅子をくるりと反転させてから言っ...
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