ショートショート作品

アイデア馬

 私は文芸の編集者をしている。  担当している小説家の先生を乗馬に誘った。  先生は「乗馬ぁ? なんで?」と面倒くさそうである。  私は言った。 「ほら、"三上(さんじょう)"とか言うじゃないですか。枕の上...
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雪犬

 これはおじいちゃんに聞いた話だ。  僕の家の裏には小さな山がある。  その山は冬になると雪山になる。  おじいちゃんは昔、山に登って遊んでいたら迷ってしまったそうだ。  どうしたらいいか分からずうずくまっ...
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金庫破りの誤算

 金庫破りの専門家である男がある日本家屋にやってきた。  男は依頼されて古い金庫などを開ける仕事をしていた。  日本家屋にある金庫はかつてこの家の主人だった男のものらしい。  家族によればこれまでも金庫破りを何人か...
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ヒーローインタビューという生業

 父親の仕事はヒーローインタビューだった。  様々な人に対するインタビューを依頼されて、それを行うのだ。  インタビューの対象となる人は、何かの功績を残した人の時もあれば、普通の人であることもあった。  父は依頼を...
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嘘つき洞穴

 私の住む町にはある洞穴がある。  その洞穴の入り口に立ち奥に向かって悩み事を叫ぶと反響が返ってくることがある。  反響があれば悩んでいることを実行に移した方がいいらしい。  逆にまったく反響がなければやらない方が...
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眼帯の魔女

 私がいつも眼帯をしているのには理由がある。  私にはおかしな性質がある。  両目で見つめると異性が私を好きになってしまうのだ。  幼い頃から見つめるだけで異性が自分のことを好きになるので、おかしいな、と思っていた...
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海底の悪魔

 ある国の海際にボコボコと常に水泡が出ている場所があった。  そしてその場所には、長くそこにいると悪しき心に支配されてしまうという言い伝えがあった。  水泡の出る場所の海底に悪魔が住んでいるらしいのだ。  海面でい...
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あの席のご婦人

 私は受験勉強をする時によく図書館を利用していた。  その図書館には、いつも同じ席に座っているご婦人がいた。  ご婦人は上品な服を着ていて、長い白髪の髪がとても素敵だった。  ご婦人は分厚い本を静かにめくっていて、...
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雨宿りのストーブ

 地方へ営業回りに行った時のこと。  私はくたくたになりながら駅に向かって歩いていたのだが、すでに日が落ち、あたりは暗くなっていて道が分からなくなってしまった。  さらに悪いことに、雨も降ってきた。  カバンを頭に...
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にらめっこ線香花火

「にらめっこ線香花火」なるのが発明された。  笑ってしまうと線香花火の火が落ちるのだ。  パーティグッズとして大人気の商品になった。  そんなにらめっこ線香花火を使って、あるテレビ番組が制作された。 「悟り...
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